貴金属を売るとき損してませんか?騙されないようにするポイントあります。
金やプラチナを売る際は気を付けることがあります。
それは値段の決まり方です。
貴金属には相場があり、これは日々変動しています。
このあたりをしっかり学ぶことで騙される確率を下げることができるんです。
ですが、まずは貴金属とはなんなのか、基本的なことから見ていきましょう。
貴金属とは?
貴金属(ききんぞく、precious metal)は、化学としては金 (Au)、銀 (Ag)、白金 (Pt)、パラジウム (Pd)、ロジウム (Rh)、イリジウム (Ir)、ルテニウム (Ru)、オスミウム (Os) の8つの元素を指す。
wiki引用
このうち金、銀、プラチナ、パラジウムをジュエリー用貴金属として定められています。
僕たち業者は主に金、プラチナ、シルバーを貴金属と呼びこれらを売買しています
。なかにはパラジウムを扱う業者もいるようですが一般のお客様でパラジウムもってる方は少ないので僕のいたお店では扱っていませんでした。
では貴金属買取の際、値段はどうやって決められるのでしょうか。
答えは簡単、”相場×グラム”、で計算されます。
相場とは?
コモディティって聞いたことありますか?原油、天然ガス、金、プラチナ、トウモロコシ、大豆などのことを指す言葉なんですが、商品先物取引や経済用語などで使われています。
株みたいなもので買う人売る人が物の値段を決めているんです。ここに金プラチナシルバーが含まれているので、日々金価格は推移しているんです。
昨日は4,600円だったのに今日は4,550円だ、昨日売っておけばよかった、とかあります。
日々推移しているので毎日売買の金額が異なります。
グラムとは?
単純に貴金属のみの重さです。石付きの場合は石の重さを引いて計算します。
金種とは?
貴金属にはそれぞれの含有量によって種類が分けられています。
K24だったりK18だったり、これは24金や18金と呼ばれているものです。
ではまずは田中貴金属のホームページで本日の相場を見てみましょう。
ご覧のとおり金は上がK24で下はK9まで、プラチナはPT1000から下は750まであります。これが金の種類です。
K24は金の含有率が99.99%のものと定められており、表記はK24あるいは<1000>と表記されています。
K18は金の含有率が75%以上のものと定められており、表記はK18か<750>と表記されています。
一覧にした画像を見つけたので載せておきます。
金相場なら金属.JP|刻印について様からお借りしました。
純度やメッキに関する表が掲載されていますので参考にしていただけたらと思います。
さて、簡単ではありますがこれだけ種類があってなおかつ相場もそれぞれ違うとなると知らない人からしたら騙されてしまうポイントになってしまうはずです。
実際にあった話を交えながらポイントを解説していきます。
ポイント1 相場をごまかされる。
なにも知らないお客様の場合、金の種類がわからず計算を間違えることがあります。
例えば金相場4,500円と書かれていた場合、4,500×グラムでだいたいの金額を計算してからお店に来ます。
ですが持ってきた金がK18だった場合相場は3,300円ほどになるため期待から大きく下がった数字になってしまいます。
これは仕方ないことなんですが、悪質な業者はなにも知らないのをいいことにもっと数字を削るんです。
金相場4,500円だった場合、K18の含有率が75%なので4,500×75%をすればK18のおおよその相場を算出することができます。
この場合3,375円です。まあ田中貴金属のリサイクル価格を見てもいいです。
ですが、悪質な業者の場合
「いやお客様これはK14です。K14の本日の相場は1500円なので1500×10gで買取価格は15,000になります。」
とか言い出すんです。
すごく悪い例を出しましたが、こんなこともあるんです。
実際はK18なのにK14ですと言われる。K14だとしても相場がK9レベルの金額だ。
対処法
これに関してはスマホでリサイクル価格を見ながら売ることが対処法になります。
ポイント2 グラムをごまかされる
指輪一つ手にもってそれが何グラムかわかりますか?ある程度わかったとしても正確にはわかりませんよね。ここもごまかされてしまうんです。
本当は10gあったとしても5gですねと言われてしまえば、そんなもんなんだと思ってしまうはずです。数グラムの誤差なんて手ではわかりませんもの。
ではK18が3300円のとき、5g誤差がでるといくら損すると思いますか?
3,300×5=16,500円です。
対処法
しっかりとグラムを量ってから売ることです。
過去悪質な業者に、「うちのお店では普通の量りではなく金の含有率を算出できる量りを使っているためお客様の量ってきたグラムとは異なります。」と言われたことがありました。
比重計といって含有量を算出し金の種類を出す量りはありますが基本的に重さは変わりません。
キッチン量りでもいいのでだいたいの重さを把握しておきましょう。
石付きの場合はグラムを計算するのは難しいかと思います。
ダイヤの場合1ct0.2gと決まっていますがほかの石の場合、慣れている人でない限りおおよそのグラムは計算できません。
カラット数の書いていない色石だったり、パールだったり、カボションカットの翡翠だったり、これらは土台から取り外さない限りグラムがわからないので多めにグラムを引かれることがあります。
場合によっては全体のグラムの半分が石の重さなんてこともありますので、本当にいらなくて処分する場合は石も取って土台だけで売りましょう。
ほとんどの場合色石やパールは値段が付きません。この辺はまた別の機会にお話しします。
利益の出し方
質屋も買取店もリサイクルショップも利益を出さなければ経営できません。利益の出し方は安く買って高く売ることです。
貴金属の場合高く売ることはなかなか難しいんです。
なぜなら相場が決まっているから。
今でも通用するデザインの指輪やネックレスなら、例えばK18 3,000円 10gだとしたら30,000円で買い取っても40,000円で販売して売れたら利益を出すことができますが、そうでない場合、デザインが古いものや切れてしまったネックレスやイニシャルの入った指輪は溶かすしかありません。
そうなると田中貴金属などに買い取ってもらうしかないんです。
田中貴金属でK18の買取金額が3,000円だった場合、質屋や買取店やリサイクルショップは2,500円/1gとかで買取を行うんです。
僕の住んでるところでは平均して相場の80%前後で買い取っているお店がほとんどです。
これを8掛けとかって呼んだりします。
つまり利益が20%です。こうやって利益を出しているわけなんですね。
出せても90%くらいが限界です。
相場100%で買い取ってもらいたいときは田中貴金属など本店へ行きましょう。
近所にまあまあ有名な金券ショップがあるんですが、そこでは相場の30%で買取をするよう教えられるそうです。
30%以上になった場合、始末書を書かされるんだとか。
金券は額面の90~92%で買取を行っているようなので、金券で集客をして一緒に貴金属が持ち込まれたら安買いして大きく利益を出すって作戦のようですね。
K18が3,000円/1gだった場合30%だと900円/1gですよ。
よくそんなやり方で全国展開できたなと。
とまあこんな感じで知らないうちに騙し取られたりしているわけなんです。
ふつうに売りに来てふつうに満足して帰られる方もいますが、詐欺師!と声を荒げる方も来ます。
そんな方を納得させるために無駄に話し慣れたりしているので気づかない方も多いんじゃないかと思います。
しっかりと準備してから行きましょう。